「ラスト・コントラクトー誓約ー」製作秘話        


 今回はロシアが舞台です。ロシアはリアルタイムに歴史を感じさせる国ですよね。絶対、今のことが将来歴史の教科書に載るぞ、と思うことがしばしばです。
 ロシアは崩壊後、益々貧富の差が激しくなってます(涙)。ロシアが混乱している間に泥棒紛いの手段で、巨万の富を得た財閥がいくつもあるそうです。なんとも感情的にも複雑な国です。
 いろいろ資料を読んでいくうちに、どんどん黒い部分が見えてきまして、果たしてこれはBLに向いているんだろうか? と途中で疑問になってきました。
 手にした資料も規制がかかっていて黒い部分がかなり不透明になってたり、ロシア当局によって発禁されてたりと、どこかのフィクション小説のような現実を垣間見ました。
 実際、資料収集中にイギリスでロシアの元スパイが暗殺されたりと、映画のようなことが未だロシア内部ではされているようです。  作中では少しだけ綺麗なだけじゃないロシアを書いてみました。もちろんショコラBL仕様なので、そんなには黒くなってませんが(笑)。というか、編集部である程度カットされてしまったので、優しい黒色かな…(苦笑)。

 今回イラストを描いてくださっているのは中山寛巳先生です。お話によると、この本が初の単行本であるらしく、なんとも恐れ多いことに……ありがとうございます(汗)。
 中山先生はこの単行本より少し前に発売された雑誌「ショコラ」で掲載された「偽りは医師の嗜み」の挿絵でもお世話になっておりまして、ノベルズと併せて、Wで描いていただきました。
 これからのますますのご活躍を祈るばかりです(^^)

 ショコラさんで書く時は、いかにショコラのカラーに合う作品にするかで、かなり苦労します。
 ショコラカラーの作品になりつつ、少しでも自分らしい作品でありますように……。日々精進です。