「ダブル・シークレト〜雪花の欲望〜」製作秘話        


 初めての花丸文庫さんです。BLACKはエロ特化だそうです。ということで、私もいつもよりエロ120%割り増しで描いております。ハハ……笑って誤魔化します(笑)。

 打ち合わせ中、「汁多め」とか「普通のBLではなくハードで」「いっそのこと複数でもプレイでもアリな方向で」とか言われまして、「あれ? 花丸さんってそんなにハードだったけ?」と頭の中で「?」がいっぱいだったんですが、原稿を提出して校正をかけている間に「BLACK」が創刊され、「もしかして、私、BLACKなのかしら……」と思ったら、正式にBLACK文庫であることを伝えられ、今までの中で一番エロいリクエストを貰いました(笑)。ええ、男の担当さんから(大笑)。いや、担当さんは仕事と割り切ってるので、全然平気でBL的なことを口にされるんですよ、私だけ心の中だけで意識して、「きゃ〜汗」と思っていただけです(笑)。

 今回はページ数が規定よりオーバーしてしまっても、まだ書きたいシーンが一杯あって、泣く泣く諦めたシーンもあったんですが! 蓋を開けてみると、他の皆さんはもっとページをオーバーされているようで、もしかして、そんなに規定枚数に拘らなくてもよかったんだ……と本屋に並ぶ直前で気付いた私です。  もっと涼やライアン、ヴィクトールが描きたかったですよ。楽しく書いていたのもあって、あっと言う間に彼らの登場シーンが終わってしまった(涙)。特にヴィクトール。彼の過去とか書きたかったですが、それを書き始めると、上下二巻セットという形になってしまうくらい長くなりそうなので、やっぱり無理なのかな(^^;)

 タイトル「ダブル・シークレット」にはいろいろ意味があります。主人公、涼の裏の顔がCIAであることを指していたり、ライアンが実はフィアンマ(これが何かはネタバレになるので本編で……笑)であることを意味したり、今回の任務がトリックで裏に正式なミッションが隠されてたり、ヴィクトールには秘密があったり……そういう秘密裏にされている何かがある状態、二重に秘密がある状態を指してタイトルをつけました。  当初は「ダブル・デザイア」だったんですが、その部分を副題の「雪花の欲望」にしました。欲望は性的欲望だけを指すのではなく、ヴィクトールが抱く野望や屈折した愛情、肉欲を指しています。雪花はロシアであり、ヴィクトールであり……のようなイメージでつけました。あとで雪華にすればよかった……と思ったのはここだけの秘密(笑)。

 さて、次回は学研もえぎ文庫さんの予定です。今度はガラリと変わって『純愛』『駆け引き』がテーマです。この作品とテーマがまったく違いますが(笑)、また機会ありましたらよろしくお願いします。