「絶対服従命令〜白銀の悪魔〜」製作秘話        



 このお話は2005年4月29日に発売されたBLゲーム「絶対服従命令」のその後のストーリーです。
 当時、プロデューサーであり、原画家であった由良さんから、突然お誘いを受け、ゲームのゲの字も知らないまま、シナリオの仕事を始めてさせていただきました。
 小説とは全然違う形式であり、いろいろサポートしてもらいながら、一つのゲームのシナリオを書き上げました。その時は精一杯でしたが、今見ると恥ずかしいほど誤字脱字が散乱しており、凹むこともしばしばです…(汗)。
 シナリオに関しては、とにかく時間がなかったことが印象的です。オリジナルBL小説の仕事と並行して進めていたので、正味四ヶ月くらいで単行本八冊分くらいのシナリオ量を書きました。一ヶ月二冊くらいですね(^^;)原稿用紙にすると700枚強くらいの月生産でした。体調が悪くて書けなかった時のことを考えると、毎日30枚くらい四ヶ月書き続けていた計算になりますね(大汗)。
 ただ、これによって、随分と『書く速さ』に確信がもてるようになりました。毎日30枚書き続けることができたという経験から、『もう、ダメだ、締切に間に合わない〜』という状態でも根拠のない自信が溢れてきて(笑)『大丈夫、きっと書ける!』と、締切のプレッシャーに強くなったことは否めません(笑)。

 さて、今回のキーワード(ここまで長くなるとキーフレーズかな?)は「普段、兄貴肌で誰の助けも借りずに、堂々としているキアが、ルイーズにだけ甘える(←ここ重要。笑)」と「囚われのルイーズ」でしょうか(^^;)美人の苦悩に歪む顔が見たい…というサド心が少しだけ疼きました。

 今回はエージェント編で、編集部様での調査や、私が個人的に行ってたアンケートの結果、キア×ルイーズがメインとなります。でも数名の方からキア受けの希望をいただいていたこともあり、ちょっぴりですが、SSでルイーズ×キアも書いてしまいました(^^)
 タイトルも本当は「囚われのエージェント」だったのですが、あまりにも長すぎるということで(「絶対服従命令」というタイトルも入るから、背表紙の文字がちっちゃくなっちゃいますよね…^^;)「白銀の悪魔」という短いタイトルに変更しました。ちょっぴりアニメのサブタイトル風にしてみました。本当は「ミュンヘンの悪魔」にしようかとも思ったのですが、あまり都市の名前に悪魔をつけるのも、その都市の人に失礼かなぁ…と変な遠慮が出てしまい「白銀の悪魔」に。
 あとやっぱり最後まで悩んだのは、匙加減(汗)。ゲームのされていない方とされている方の両方に満足していただけるように書こうと思っていたのですが、されていない方のために補足を書けば書くほど、プレイ済みの人にとってはくどくなり…(汗)、くどくならないように意識すれば、プレイされていない方には意味不明になったり…。一度プレイをして下さった担当様は「内容はしっかりわかりますよ」と言って下さったのですが、今思えば、ゲームをやったことのない知人に下読みをしてもらえばよかった…と反省(大汗)。

 あ! それから『第二次世界大戦直後』とあらすじに書かれてありますが…フィクションです。すみません〜。舞台のモデルは直後ではなく、ある年代なのですが(ちょっとランマールさんに言っていいか確認してないので、伏せておきます)そうではない部分も一部あります。これは由良さんと時代設定を打ち合わせた時に、時代考証に縛られエンターテインメントを狭めることはやめようということからきてます。当時、このゲームが小説化になるとは思っていませんでしたので、第二次世界大戦直後というのもフィクションと考えておいて下さい〜(汗)。